題　名

他国の国民から見れば

日　付

2001年08月15日

概　略

確かに、アメリカには悪いところがあったけど、日本はでうだった？

　NHKで放映された「そして男たちはナガサキを見た」のなかで　アメリカの兵士（原爆を投下した）が、以下のように述べていた。

　「私達が原爆を投下したのは、戦争を終わらせる目的で行なったものであり、悪い事をしたわけではない。私達は、（戦争を終わらせる事で）貴重な多くの生命を救ったのだ。」と。

　確かにそれは真実だったかもしれない。しかし、それによって救われた生命とは、誰の生命だったのか。逆に奪われた多くの生命があった事を、どう思っているのだろうか?
　別な人は、こう述べていた。「それなら、パール八一バーはどうなるんだ。」と。

　確かにパールハーバーの件では、日本に反省すべき点がある。しかし、長崎や広島に投下された原爆は、それとは全くレベルの違う話ではないか。罪もない多くの人が、「貴重な多くの（アメリカ人の）生命を救うのだ」というかけ声のなかで、一瞬のうちに殺された事に対する反省は無いのか。生命に軽重の違いなんてない筈。いくら戦争を終わらせる為だからといって、行なって良い事と悪い事はある。
　だから「どうだ」っていう事じゃないけれど、すこしだけでも反省の心を見せてもらいたかったものである。

　ここまで書き進めてきて、私はある事に気がついた。それは第ニ次世界大戦時に日本が中国　南京で起こした、いわゆる「南京大虐殺事件」の事である。一部の日本人の中には、「でっちあげだ」とか、「そんな事実はなかった」とか、発言したり　あるいは「歴史教課書」まで作ってしまった。

　確かに、原爆投下は否定しようもない事実であるし、この事件に対しての歴史認識には有無を言わせぬ真実がある。ただ、考えてみよう。戦争の犠牲となって三十万もの人が殺された事実を。日本人が原爆によって亡くなった数はおよそニ十万人。
　ここで　私が言いたいのは、その人数の問題じゃなく、中国や、韓国の国民が日本をどう思っているか？その視点についてである。
　自分たちの国は原爆を投下されて、多くの人が無くなった。アメリカに対しての憎しみを　今の多くの人がいだいているかどうかは　私にはわからない。ただ、逆に私たち日本人の代表である軍隊が　中国南京でしでかした行為は、いったいどうなってしまうんだろう。たとえば私が　TV番組を見て、「この野郎。すこしは反省の色ぐらい　見せろよ。いったい何人の人が　原爆の影響で亡くなったと思ってるんだ！」と憤慨するのと同じ気持ちで、中国人が「この野郎。すこしは反省の色ぐらい　見せろよ。いったい何人の人が　南京で殺されたと思ってるんだ！」だったら、どうする？

　確かに、南京でおきた事件(通説では　南京大虐殺）の信憑性には　一部疑問は残っています。ただ、私は以前「新しい歴史教科書をつくる会」に反対する掲示板にも書かせてもらいましたが、その数が不定なだけで、（これは　２０万人か３０万人・・・どちらか。いった大雑把なレベルと思ってください。）その存在は　確信しております。

　本当に「けがれの無い眼で」正しい歴史を見ようとすれば、日本がアジア諸国に対し　いかに多くの暴虐をはたらいてきたのかが、見えてくるはずです。そういった歴史に対する確固とした認識を　日本の指導者が持ち合わせていない限り、靖国神社問題は毎年起こる。

　以前　よく山の本を読んでいたのだが　その中に「辻まこと」さんの書かれた文章があった。それは、「ひとつの誤りを犯す者は、百通りのやり方で、千通りの失敗を引き起こす」というものでした。（すいません。本が見当たらず、正確な文章が書けません。今度詳しく調べておきます）。そう、根本的に解決しない限り、過ちは何度でも繰り返されてしまいます。多くの国民が望むと望まないにかかわらず。
　私は　この終戦記念日である今日　そのことのみを憂いています。

※　「辻まこと」さんの事は、http://www5a.biglobe.ne.jp/~Maackii/index.htmの方のホームページをご参考にしてみてください。奥鬼怒の風景等も非常に好感がもてますよ！