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ニユースステーションが所沢のダイオキシン問題を取り上げた事により 農家が被害を受けた事に対し 埼玉地方裁判所は農家の請求を棄却した。原告は 不当判決であるとこの件に対する不満を述べている。
たしかに 農家にとっては不満であろう。正しくない（と思われる）報道によって ほうれん草をはじめとする野菜が「健康を害するもの」として扱われ 値段の暴落を招いた事実は否定できない。
この件について ニュースステーションを今日見ていたところ、久米さんの謝罪する場面があった。彼は話した。自分達の報道の中で 一部誤解を招く部分があった事・そして不確かな情報もあった事を。その後、彼はこんな風にも話していた。「より多くの人の役に立つ事が出来たら」と言う想いで報道の仕事に携わってきたと。
ＴＶをはじめとするマスメディアは 多くの不特定多数の人が見る。そういった意味から、報道の正確性が望まれるのは言うまでもないことだが、彼のニュースは他の報道と一味もふた味も違った 本当の報道であったと思う。その事から想像すれば、『多くの人の役にたちたい』という想いが どんなに切実な気持ちから発せられているのかがわかるし、真実であろう。
農民の気持ちもわかるけれど、ここはひとつ許してあげてほしいものである。
その上、この報道により 多くの人が『ダイオキシン』の問題 ひいてはゴミ問題に注目したことにより、現在排出されているダイオキシンの濃度は一時期の３割程度減っている事実もある。罪ばかりでなく その『ダイオキシンを減らさなければならない』という問いかけに 多くの国民が反応した事実にも目を向けてほしいものである。
ところで、このダイオキシン問題で不思議なのは報道機関にその矛先が向いている事である。本来ならば ダイオキシンを撒き散らしていた焼却炉や工場が非難されるべきではなかろうか？というのが 私の単純な意見です。なぜ、そのような毒素をまきちらしていた『工場』がせめられず、報道の誤りばかりに目がむいてしまうのでしょう？ダイオキシンの濃度が 国の定めた基準以内であれば いくら『ダイオキシン』をばらまいていても問題なかったとでもいいたいのでしょうか？
我々は誰もが健康で 体に良いものを摂取したいものです。それが 誤った報道で『疑い』をかけられた。でも実際には国の規定値以下の『ダイオキシン』しか検出されなかった。「だから悪いのは報道だ。」という事なのでしょうけれど、実際にそこに『ダイオキシン』は存在していたわけだし、私だったら買いたくなくなってしまいます。たとえ 基準値以下でも。
そしたら、誰が悪いかわかるでしょう。勿論、悪いのはダイオキシンを出していた工場や焼却炉なんです。あるいは、焼却したら『ダイオキシン』が発生する物を作成している所・分別しないでゴミを排出している私達自身。それらもろもろの問題があって、こんな状態になってしまった。報道機関だけの問題じゃない。
国もおかしいといえばおかしいところもある。実は私 結構献血は行っていて、今日も赤十字センターから「血小板をすこし取らせてほしい」ということで、献血にいってきました。今はもう無くなったのですが、数年前の献血時には「ラップ」が景品としてついていたのです。その「ラップ」は 焼却時に『ダイオキシン』を放出してしまうタイプのラップでした。ラップの切れはいいし、熱にも強い。でもダイオキシンを出す。こんなラップを かりにも人の生命を預かる（献血センターでは直接患者に対することは無いようですが）医療機関が景品として使用しているなんて 腑に落ちないものを感じたものです。
やはり悪いのは「ダイオキシン」その物を出している工場だと思うのです。例え話で悪いし、あまり役にたたないかもしれませんが、少し書いておきます。
以前茨城県でホシイモや野菜が売れなくなった事がありました。平成１１年の秋だったと記憶していますが 原因はおわかりでしょう。例のＪＣＯによる臨界放射能放出事件の影響です。この事件で野菜が売れなくなったのは 報道機関がこぞって報道した為でしょうか？多分違うとおもいます。放射能が 放出されてしまったからなのです。
今でも旧ソ連の「チェルノブイリ原発」の近くでは 甲状腺のガンにかかる人が多いそうです。放射能とはかくも恐ろしい。そして、ダイオキシンも又 危ない化学物質です。これらの事故に際して、野菜が売れなくなったのは報道が原因なのではなく その原因を放出している場所そのものが原因なのです。「攻撃の矛先を誤ってはいけない」と、思うのです。
そういえば、国の報道のいいかげんさには我々も注意しなければならないようです。この臨界事故なのですが、「３時から５時半までの放射能検出結果が見当たらない」と 国からの発表がありました。ちょうど機械の切り替えのタイミングが 事故で慌てた為に うまく切り替わらず データが無くなってしまったそうです。
その時は「ああ。こういう前例の無い事故だから 仕方がないか。」と思ったのです。ところがその後になって 新聞がある事実をスッパ抜きます。それは、
「事故のすぐ後で 住民を集めて説明した際、渡した資料にはその『空白の２時間』の放射能検出記録が載っていた」というものです。多分 混乱の為に出してはならない資料を出してしまったという事なのでしょう。
国はこの事実を「誤った報道」と決め付けましたが それもそのはず。国の安全基準である１年間で浴びてしまっても大丈夫な量の放射能の数十倍がこの時間帯に記録されていたのですから。
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