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１週間前、小泉総裁の誕生を想像した人は どれ程いたか？私は不覚ながら想像し得なかった。今回の選挙の結果は 地方の自民党員の大部分の方が、『小泉』さんに投票した結果である。地方の票ですでに７割もの得票を得る程の圧倒的人気。その原因 それはどこにあったのか？
地方投票の２日目、『小泉』さんの人気が圧倒的である事が判明した時、自民党の幹部連中は『地方の意見のみで、総裁を決める前例が無い。』とかの発言を行っていた。「政治が『国民』の為にある」事すら、忘れ去った発言と 言わざるを得ない。いかに『国会議員』の気持ちが『国民』と乖離していたか。それを物語る まさに象徴的な事柄であった。
『風が吹いた』のである。どうみても最大派閥の『橋本』さんが有利な立場であった。そんな中で 自民党幹部は、『また今度も密室の協議で総裁を決めるつもりか！』という国民の議論に ついに逆らえず 地方に票を３票分配した。それが、逆風のきっかけになった。
それぞれの人が、それぞれの思いで投票した今回の自民党総裁選挙。各人の思いはそれぞれ違っていても その進む先が同じであれば『数の理論』すらも跳ね除けられる事が判明した。
これは 多分『クセ』になる。民意が国を動かしたという事実が、これから先の日本で大きな意義を持つ日がきっとやってくる。そんな気がします。
ことわざに、『一寸先は闇』というのがある。今の世の中は まさにそういう時である。左へ行くのか、右へ行くのか。誰にもわからない。多分今の『小泉』さんですら 分からない状態であろう。しかし、この事を嘆いている場合では無い。ましてや 『なるようにしかならない』と、諦めている時でもない。
昔２０年程前にある少女漫画を偶然読んだ。『花とゆめ』という月間誌だったと記憶している。その中に以下のような作品があった。
「昔のヨーロッパでの話である。その当時は高級な仕立て服（オートクチュールの事）の時代で、主人公もそんな服をつくる職人だった。ある時、彼はより多くの人にその服の良さを知ってもらう為に 有名なデザイナーの手による 仕立て服を模倣した既製服（いわゆるプレタポルテ）を作成した。
有名な服とほとんど違いの無い仕立てによる既製服。一般の人達にも手軽に手にいれられるようになったこの『服』は、多くの批判をあびた。しかし、時は流れ 既製服の時代がやってきた。
主人公は言う。『いろいろな事があって、どう進んだら良いかも分からない時代。そんな混沌とした時代だったが、後から考えてみれば あの当時が一番楽しく 面白い時代だった』と。」
今 そんな大きな時代の流れの中に 自分達は生きている。明日も分からず それでも皆が懸命に生きている。こんな 混沌とした、不思議な時代。『ああ、あの時まさにあの時点で 日本が変わった。』と、未来の人は言うのかもしれない。そんな大事な時期。「のほほん」と過ごしてちゃ いけない。今を大切に生きていく事だ。その大きなうねりの真っ只中にいる自分達には その姿は見えずらい。しかし、後で後悔しないように 『今』を大切に、『今という一瞬』を大切にしていかなければいけない。そんな気がします。
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