自由主義史観研究会というのがある。このホームページの中で 「ご意見箱」という部分がありました。その「過去ログ」に、『明治維新の捉え方』という部分があります。私は、個人的に他人の書いたものに対する批判をあまりしたくないのですが、今回の内容にどうしても腑に落ちない部分がありましたので 今回書かせてもらいました。
この文は、一人の質問者が「自由主義史観研究会」に対して質問をし 「自由主義史観研究会」の方が回答するという形式となっていました。今回の質問者は マルクス研究をしている元塾の教師です。
いろいろ気に入らない？？ 点はあるのですが それは皆さん自分で読んでもらうとして 一番の問題は 『明治政府と自由民権運動の対立は保守的な政府と 進歩を求める人民の対立ではなく、近代化というものをどう捉えるかの対立であると付け加えます』（「自由主義史観研究会」のページからの引用です）
『自由主義史観研究会」の方の意見もおおよそ同じものでした。しかし、私には納得できません。確かに 明治政府には保守的な一面もありますし 自由民権運動家達はある種の進歩を求めていました。
しかし、彼らはこれすらも違っていると言っている。「近代化というものをどう捉えるかの対立だ」と言っている。
はたして そうであろうか？
申し訳ありませんが 私の考えている「自由民権運動」はそんなものではない。（自由民権については多くの方々の著書がありますし 一言では言い表せないほど多種多様な行動が各地でくりひろげられています。私などが こんなホームページで自分の意見を述べさせてもらうのは 非常にはばかられるのですが あえて言わせてもらいます）。「自由民権」は 上から（政府から）おしつけられた多くの圧力に対する 人民のささやかな抵抗だ」。という事です。
私に言わせれば「自由主義史観研究会」の方々も「マルクス研究をしている元 塾の教師」さんも 「人民の位置に立った見方をしていないんではないか？」と思います。政府に反抗したり 反対意見を新聞等で発表した民権家たちが捕まえられて 網走番外地で知られる酷寒の「網走刑務所」をはじめとする北海道に送り込まれて そして殺されていった事実を知らないとは言わせない。こんな悲惨な状況をひきおこした人民の運動を『近代化というものをどう捉えるかの対立』の一言でかたづけられるものではありません。
今回は 『明治を考える』の２回目です。まだ皆さんに私の基本的な考え方を説明していなかった事をお詫びすると共に 今回は話しておきたいと思います。
「明治政府は、国民をないがしろにした『独裁国家』を作り上げた」政府だ。
これが私の確固とした明治に対する意見です。
今回の話からは余談になりますし また別な機会にも話すだろうとおもいますが、たとえば「地租改正」を見て見ましよう。先程の「マルクス研究をしている元 塾の教師」さんは 地租改正について「私有財産制の確立」と書いていますが、（またまた書いたものに対する批判で悪いのですが）とんでもない。
「地租改正」をして江戸時代よりも重い税金を国民に課した事。地主は手厚く保護して 一般国民のことは牛馬のようにこき使った事。いったい誰が「私有財産を確保」したのか？
こんな事は だれでもわかっている事だと思っていました。それが 仮にも人を教える立場の方の意見が「私有財産制の確立」だとしたら この人の常識をうたがわざるを得ません。
先日 TVで「きんさん、ぎんさん」の事を特集しているのを見た。「きんさん、ぎんさん」が 「戦後なにがよくなったか？」と、聞かれて 「自分で作ったものを自分で食べれるようになった」と答えていた。そう、これは明治に施行された「地租改正」のせいなのである。「働けど、働けど 我がくらし 楽にならず・・・」の話も皆すべて「地租改正」のせいである。これでも 「地租改正」によって豊かになったと言い張るのか！！
まだ続けるなら、次の発言も発表しましょう。『「公民では、大日本帝国憲法は悪役になっているね。それは 公民の主人公が日本国憲法だからしかたがない。ただ、歴史の勉強では、大日本帝国憲法はアジア唯一の憲法だったことは誇ってよい。」・・・』（「自由主義史観研究会」のページからの引用です）
「誇ってよい？？」。笑わせちゃいけない。このアジア唯一の憲法が 国民の多くの「憲法私案」をまったく無視して秘密裏に作成された「黒い憲法」だった事を知らないのだろうか？早くできれば良いってもんじゃない。世界的にみてまったく「恥ずべき憲法」だった。（例えば、国民の自由は認められている。認められているが それはあくまで法の定める範囲内においてのみなのだ。これを 自由と呼べるのだろうか。口先だけの 内容は非民主的な憲法だ）
兎に角、明治については山ほど話したい内容がある。（ただ時間が無いのがこまりものです）今後もいろいろ書いてゆきますので 次の話をお待ちください。
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