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先日、ＴＶで久しぶりに「ジョーズ」を観た。第一作目のこの作品の出来は 思っていたよりも随分良く 楽しむことが出来た。
ところで、映画のシーンのなかに登場人物が、「おれは昔、広島と長崎用の原爆を潜水艦で運んだ・・・」と誇らしげに話すシーンがあった。以前は気が付かなかったのだが、意味深な言葉だ。先日は 別な番組で実際にエノラ・ゲイに乗って原爆を落とした人が登場したが、その彼も同じように「私達が原爆を落としたことによって、戦争を終わらせる事ができたのだ」と当然のように話していた。見た感じではその事を誇りに思っているような口ぶりに思えた。「原爆投下によって、戦争を終わらせた事が その後も戦争が継続されていれば死ぬはずだった日本国民や軍人達の命を救ったのだ」という発想なのだろう。しかし、原爆投下が二十万人以上の死者と、いまでも後遺症に苦しむ人達を生み出した事実に背を向けたこの発想からは 真摯に世界平和を望む心は起きてはこないような気がするのだ。
日本は、こうした過去の歴史を持つ。「それは軍部の暴走のせいだ」と言うのは易しい。その言葉ですべてを覆い隠してしまうことも出来るだろう。だが、その暴走するに至った経緯と止めることが出来なかった国民のあり方、政治の不甲斐なさから目を逸らしてしまっては 何も変らない。私達がしなければならないのは、歴史のその時を想像し 問題を抉り出し、誤りを正すことなのではないだろうか？世界の平和を希求し、不戦を誓った憲法を持つ日本には避けて通れない道なのだ。
憲法を変えようとする政治団体がある。この団体はついに三年後には憲法の改正を俎上に載せることを明言して憚らない。彼らの意図するものの一つが憲法９条の改正にある。それはこの政治団体が作成した憲法草案に、既に明記されている。他の政治団体のうちのいくつかは「憲法改正反対」を強硬に訴えている。昨年までは、それでもよかったが、状況は今は変っている。国民投票法案が成立したからだ。やり方によっては憲法改正はできるし、改憲を狙う勢力はどのような手段を用いてでも改憲しようとするだろう。政治というものはそういうものだから。この現状ではたして、今まで通りの「憲法改正反対」の方針を推し進めるだけでいいのだろうか？
答えは「否」である。反対に反対を重ねて、後手後手に回るだけでいいはずが無いではないか？
今やるべきなのは憲法改正に反対することではなく むしろこちら側から憲法改正案を作成し 成立させることなのではないだろうか？憲法９条改正反対を唱えるだけでなくむしろ改正し、無茶苦茶な解釈によって作られたる違憲な軍隊を解体させることなのではならこうか？解釈しようのない新憲法９条を作成することが必要なのではないだろうか？私なら、このような条文にする。
第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認、武器の否定】
一 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては自衛の目的を有する場合であっても、永久にこれを放棄する。
ニ 日本国は、陸海空軍その他の戦力を保持しない。国の交戦権は認められない。
三 日本国及び日本国民は、専ら戦争の要に供する武器及びその部品を保管、製造、販売、購入してはならない。これらの武器はいかなる目的であっても日本国に持ち込んではならない。
私自身、憲法を学んだのは今から数十年前の中学の授業の時だから全くの門外漢である。しかし、平和を望む心はある。条文は専門の方に直してもらえばいいのだから、もっと皆が 思い思いの憲法案を考える機運を盛り上げたいものである。
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